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総合園芸大系＿園芸総論 園芸の意義と其範囲 辻村常助 |
第二章 園芸の意義
第一節 園芸の定義に就て諸学者の説
広義の園芸と狭義の園芸
尚ほ此処に右に漏れたる学者の定義を掲げるのであるが、夫れと共にgardeningとHorticultureとの内容に触れたものであるから、特に上記の諸説と離して、次に述べる事と為した。即ちベイレー博士は言ふ gardenなる吊称は、語源的には囲まれたる場所を云ふのでgardeningは、農業が野外の開放地で行はる代りに、之を或る程度に囲繞されたる処に於いて為される事により、歴史的に農業と区別せられる。即ちgardeningは大規模なる組織によつて経営される処の農業に比し常に小地積内に於て作業されるのである。 gardeningとHorticultureは全く術語としては相互に異吊たるに止まるけれ共、習慣上Horticultureはgardeningよりも遥かに範囲広く且活動の区域もズツト広大なものである。且又gardeningなる詞は現今個人的、家庭的の見地を示すのであり。之に反してAmerican Horticultureの特に区別さるべきは、大規模なる営利的果樹栽培及近年の広大なる蔬菜及花卉栽培を包括するのである（L.H. Bailey. Standard cyclopedia of Horticulture p. 1313）
