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総合園芸大系＿園芸総論 世界園芸発達史 大井上康 |
五、果樹園芸の発達
１ 葡萄
理論方面の進歩
学術的進歩の上から見ると、品種論 Ampelography の方面では彼の十八世紀に出た西班牙のクレメンテの論文 Fssayo sobre variedades de la videcomun que vegetan en Andalucia が、科学的分類（品種分類）の祖である。ラヴァーズも亦此の方面で一新機軸を出し、『数的に形質』を取り扱ふ事を創案し、著書も亦之に改善を加へた新法を案出したのである。ヴィアラ、ラヴァーズ、パコテ諸氏は葡萄寄生菌の研究に於て幾多の新発見をなし、ラヴァーズは葡萄の生理、生態方面に斯学の基礎となるべき幾多貴重なる研究を出して居る。スイスのミューラートルガウ及び著者等は、無核葡萄の生因及び花流に関する疑問を解決し、又著者は砧木による変異に関する研究を公にしたのである。最近にピローヴァノ氏が紫外光線による電流防止法を研究したのは、此の方面での新機軸と云へるであらう。
