The Reference Manual of Woody Plant Propagation
From Seed to Tissue Culture
Encyclopedia
木本性植物の繁殖マニュアル＿種子繁殖から組織培養まで
繁殖事典
Acer griseum
アカハダメグスリノキ
Paperbark Maple
種子：最も大きな問題は、種子の質が乏しいことである。ここ数年、年長の筆者が集めた種子では、健全なもの（胚のあるもの）は１から８％の範囲であった。英国産については２％の健全種子にすぎなかったが、Arnold樹木園での長年のカットテストでは、1962年には20％、1968年には80％の健全種子が数えられている（６月実施）。種子の生産は、同じ木についても、年によってかなり変動するのである。
種子は２重に休眠しており、秋に播種すれば（それが覚めるには）２年を必要とし、３年目、あるいはそれ以降に発芽するようになる。種皮の壁はことのほか丈夫で、休眠は胚の内的状態からくるのと同様に、物理的な障壁によっても引き起こされるのである（HortSience16:341）。年長の筆者は、種子を90日間層積し、果壁を割って胚を取り出し、バーミキュライトの中でそれを育てたが、ほとんど生育した。この方法は大規模な繁殖には向いていないが、もし、望まれるのが数本であって、とても２〜３年も待てないのであれば、やってみる価値があるかもしれない。
挿し木：型にはまったやり方で発根させるのは著しく困難（おそらく不可能）。数年来、年長の筆者は多数のクローン（10から15年生あるいはそれ以上）を使って、時期やホルモンその他を変えて試みたが、発根したのは１本の挿し穂だけだった。これは、クローン間には発根力については違いが無いという証拠である。６月末（オハイオ）に８年生の樹木から採取された挿し穂、傷つけ、２％IBA粉末、砂、ミストで17から80％発根。１クローンからの挿し穂の55％がうまく越冬した。その他についての情報は提供されていない。
１年および２年生の実生苗からの６月末の挿し穂は、8000ppmIBA粉末、砂、ミストで処理したとき、80から85％発根した。（歳が若いか、あるいはより成熟した部位からの）挿し穂は、発根後移植すべきではなく、低温室、竪穴床、あるいは適当な構造物で、温度を33ﾟFから40ﾟFに保って越冬させるべきである。実生からの挿し穂でも、採取時期が遅すぎると、発根率は低い。80から85％の発根率を示した同じ個体を使っても、挿す時期が遅いと30％の発根率になってしまう。
catechol（4.5×10ｰ3Ｍ）とIAA（1.1×10ｰ3Ｍ）の混合液に24時間浸漬することで、実生材料から100％発根したという報告がある。上述の幾つかの組み合わせが、発根数が最大になるように刺激した[HortScience18(3):352-354(1983)]。古典論文[PIPPS34:570-573(1984)]は営利繁殖家の放逸な成功を述べている。基本的な処方：実生苗の親木、長い苗条にするための３月（ロードアイランド）の剪定、６月第３週の挿し木（時期が重大で、材質は硬すぎても柔らかすぎてもいけない）、砂、８インチ長の挿し穂、葉は１対のみ残して頂芽は除く、8000ppmIBA粉末、培地には３インチ挿す、ミスト、ベンレートとキャプタン剤は慣行とおり、発根は８から10週間で生じ、鋤状フォークで堀上げれば、平均60％の発根率である。発根した挿し穂は、畑土とピートと砂の等量混合土で、２1/2インチの素焼鉢に移植し、再発根させるために温室に中に入れておく。植物には10月中旬まで霧水をかけて、底面暖房を与えてやる。ポットは深穴ハウスに移動し、1/2インチのピートモスで覆って、水をかけてやる。冬の間は最低28ﾟFに保つ。春（６月）に苗条が動き出したら、50％遮光した戸外の床に移動してやる。３年後には、並木材料として販売したり、畑に移植したりする。
発根後の生長が日長時間を延長することで促進されるかどうかテストされたが、挿し穂は反応しなかった。
根挿しは、この種ヤードのミツバカエデに対してもうまくいかない。