The Reference Manual of Woody Plant Propagation
From Seed to Tissue Culture
Encyclopedia
木本性植物の繁殖マニュアル＿種子繁殖から組織培養まで
繁殖事典
Ilex opaca
アメリカヒイラギモチ
American Holly
種子：Ilex全体の項を参照せよ。南部の森の中を散歩すると、種子の散布に鳥たちがよい役目を果たしていることが少し分かるようになる。なぜなら、そこかしこにあらゆる形と大きさの実生苗があるからである。この種は、発芽するのに長い時間を要する。もし秋播きされれば、２〜３年以上かけて発芽すると思える。12カ月間の暖温／３カ月間の低温がよい発芽結果をもたらす。
挿し木：I.aquifoliumにおける方針に従え。幾つかの強調すべき点がある。傷つけ処理は間違いなく効果がある。12月初旬に年長の筆者は、'Jersey Knight'と'Jersey Princess'の熟枝挿しを受け取った。片側に１インチの傷つけ処理を行い、3000ppmのIBA溶液、ピート：パーライト、ミスト、75ﾟFの底面暖房という条件にした。６週間で多数の挿し穂が発根したが、傷つけ処理した箇所から１次根が発生しており、片側だけ発根している挿し穂がつくられてしまった。両面への傷つけ処理が、この種についての最もよい取扱い方法と考えられる。８月下旬から２月まで挿し穂を採ることができるが、９月〜11月が最適な期間である。１月初旬、NAAとNAアセトアミドの処理で、６〜７週間で100％発根したが、これに対して無処理では30％であった。発芽率をよくするためにホルモンの使用は、なくてはならないものである。10月初旬（イリノイ）、3 photoperiods × 3 IBA concentrations、ピート：パーライト、ミストという条件で、自然日長と８時間の電照時間の下、ホルモン処理あるいは無処理で発根率90％であった。１あるいは２％のIBA短時間浸漬は、根の質を向上させたが、発根率の向上はなかった。
クローン間の発根の違いが知られるが、全般的に言って、細部に気をつければ、ほとんどのクローンについて発根を成功させることができる。100年生のAmerican hollyについての文献は、毎年、発根率が90〜95％であるとしている。巧みな繁殖家は、発根の容易な、葉を果実がかっこいいタイプを選んでいることであろう。