The Reference Manual of Woody Plant Propagation
From Seed to Tissue Culture
Encyclopedia
木本性植物の繁殖マニュアル＿種子繁殖から組織培養まで
繁殖事典
Kalmia latifoliaGoogle

アメリカシャクナゲ
Moutain-laurel
種子：オンス当たり140万個の種子、特別の前処理無しで発芽するが、新鮮な採取されたばかりの種子は、200ppmのGA3-12への24時間浸漬によって、50％程発芽率が向上する。６カ月間貯蔵された種子は、GA処理を必要としない。72ﾟFで最高に発芽し、温度が高くなると発芽率は減少する。実生苗の生長はゆっくりのことが多く、200ppmのGA散布が伸長を促進する。種子の寿命は長く、乾燥して冷蔵された種子は20年間活性を保った。参照 J.Amer.Soc.Hort.Sci.96(5):668(1971)。
挿し木：大当たり！ある者はイエスといい、他の者はそれを忘れる（原文：Wow! Some say yes;others forget it.）。ある者はホルモンが必要であるといい、他の者は変わらないという。営利的規模の繁殖上の問題のほとんどを組織培養が解決することは、一つの絶対的本質である。年長の筆者は幾本かの挿し穂を発根させたことがあるが、並の成功率であった。オレゴンの営利会社は、培地、ホルモン、時期、等々のあらゆる組み合わせについて試験を行い、以下の処方箋を導きだした。10月下旬でもよいが、１月が最高であり、若い植物体から挿し穂を採る。若い方が、年齢の進んだ植物体の２倍の発根率となる。ベンレート浸漬、両面傷つけ、5000ppmIBA、5000ppmNAA、175ppmBoraxの混合溶液を半分の濃度で、モミ４とスギ４のオガクズ、パーライト１：ピート１をガラス温室のベンチに６インチの深さにし、73〜75ﾟFの底面暖房とミストを使用する。１月挿しは60〜75％の発根率で、栽培法に依存するが、６月頃に移植する。発根しなかった挿し穂は、底面暖房は止めて、ミスト下の育苗箱に挿しなおす。それらは秋には発根した。
この種は発根するのに長期間（４〜５カ月）を要するところから、ミストでは過湿になるので、むしろ高湿度チャンバーを用いた方が賢明であると、栽培者達はいっている。
10月〜11月が挿し穂を採るのに最も良い時期であると、ある東海岸の栽培者は報告している。10月中旬、8000ppmIBA粉末処理で１月に95％が発根したが、新梢を形成したのは60％に過ぎなかった。彼は、密閉挿し、ピート混合培地、そして底面暖房を使用した。クローンを発根させるのが可能かどうかについての"ミニ"テストでは、Chloromone処理の結果、100％の発根率を得た。
顕著な論文（PIPPS 27:479）が、K.latifoliaの挿し木繁殖を扱っている。熟考すべき点は、密閉挿し、ピート：パーライト、70ﾟF底面暖房、当年枝の堅くなってすぐの挿し穂、両面傷つけの使用で、４〜６カ月間の忍耐が必要である。最もよいホルモン処理は、種々の濃度のIBAとNAAとの組み合わせか、あるいは 2,4,5-TP粉末処理である。別の報告書は、粉末状態の1000ppmの2,4,5-TPが、Kalmiaを最もよく発根させたが、最高の発根率でも39％に過ぎなかったとしている。同じ研究において、９月が挿し穂を発根させるのに最もよい月であった。クレムソンでのテストでは、10,000ppmIBAと5000ppmNAAと2,4,5-Tの1000ppmへの10秒間浸漬が最もよく発根させた。栽培品種間の発根率の範囲は、30〜100％であった。
秋挿しの問題は、低温に遭遇しないことと、それにより、芽が動かなくなることである。12月〜１月の挿し穂には、芽が動き出して生長するのに十分な低温がある。クローン間の発根能力の違いは明白である。'Ostbo Red'は、６年間以上の平均で、発根率34％で、'Pink Surprise'は、76％であった。
幼若性は発根能力の重要な要因と見なされてきた。親の植物体が若いほど、実生由来であろうと挿し木由来であろうと、発根がよくなる。15年生の原木からの、あるクローンの挿し穂の発根率は30％で、８年生のクローンからは30％、そして、１年生のクローンからは94％であった。この関係は、実生由来の場合も成り立ち、４年生からで21％、２年生からで33％、そして、１年生の実生苗からだと89％の発根率であった。
約25の命名された栽培系統が知られ、発根についてはそれぞれ異なると言われる。'Pink Charm'の10月挿し（コネチカット）は、ピート５：パーライト２、70〜75ﾟFの底面暖房、密閉挿しという条件で、発根率82％であった。'Goldrich'、'Ostbo Red'と'Stillwood'は発根が困難（50％以下）で、'Pink Suprise'、'Nipmuck'と'Quinnipiac'は比較的容易である（70〜95％）。
組織培養：少なくとも、３カ所の営利的な研究所が豊富に栽培品種を生産している。詳細については、PIPPS 30:421-427を参照のこと。