The Reference Manual of Woody Plant Propagation
From Seed to Tissue Culture
Encyclopedia
木本性植物の繁殖マニュアル＿種子繁殖から組織培養まで
繁殖事典
Magnolia grandiflora
タイサンボク
Southern Magnolia
種子：種子の採取と貯蔵についての全般的なことは、Magnoliaの項とM.acuminataの項を参照せよ。Magnolia grandifloraは高度に自家繁殖性があり、大量の種子を生産する。洗浄した１ポンドの種子の平均粒数は約6,000個である。種子は40ﾟFに３カ月間置く必要があり、あるいは洗浄した種子を低温処理なしで播種すると４カ月間で発芽する。発芽が遅れた種子の原因は未成熟の胚と、それによる長期間の後熟過程に関係する。結果として、おそらくは様々な状態の胚が現れるのである。種子は低温層積処理なしで発芽するだろう（Amer.Nurseryman 162(9):38-51(1985)）。
挿し木：この種については、挿し木繁殖が好ましい方法である。底面暖房、衛生設備と殺菌剤の使用の重要性が強調されてきた。ある報告書は、病原菌をコントロールするために、Cloroxを処理した金属の育苗箱を使用することについて述べている。７月と８月（９月）の各月が挿し木繁殖には最適であるが、11月まで挿し木繁殖が成功したとする報告書もある。頂芽挿しを採取、４1/2〜８インチ長、3000あるいは5000ppmのIBA粉末で処理、底面暖房（75〜80ﾟF）付きのミスト下に置く。NAAもまた、50％アルコール中の10,000ppmの濃度で処理した時に効果がある。'Bracken's Brown Beauty'の発根については、同濃度のIBAに比較して、NAAによる促進の方が顕著であった。傷つけ処理は発根を促進すると報告されていて、葉の大きさを制限することはない。発根培地としては、バーミキュライト、パーライト、砂、砂とパーライトの混合、といったところが使われてきた。高温の底面暖房（80ﾟF）を使用するときは、挿し穂によく潅水することを守ることが重要である。キャプタン剤のような殺菌剤は、挿し木の前に挿し穂を浸漬したり、２週間毎に散布したりすることで使用される。カルス形成時や、また発根時にも液肥を施用することは、引き続いての挿し穂の発育を促す効果があることが報告されている。根は脆く粗いので、挿し穂の生長を遅らせてしまう根の傷みを避ける配慮が必要である。上述の手順は、'Claudia Wanamaker'、'Margaret Davis'、'Hasse'、そして'Shady Grove #4,5と6'に対しても効果がある。'Victoria'は11月の発根の方がよい。'Edith Bogue'、11月下旬（ボストン）、10,000ppmのIBA、プラスチック密閉挿しで、10週間で100％発根した。 'Gallissoniensis'は、８月と11月の間に、中間部や基部の挿し穂よりも上部の挿し穂からよく発根する。発根条件は、20,000ppmIBAへの短時間浸漬とミストである（PIPPS 17:261(1967);25:88(1975);31:620(1981);33:622(1983)）。
年長の筆者は、多数の Magnolia grandifloraのクローンに対して効果がある、以下の処方箋を見つけ出した。
４〜６インチで採取、最終芽を付けた堅い材の挿し穂、８月〜９月、頂部の２〜３葉を除く、10,000ppmNAAの50％エタノール溶液、５秒間浸漬、園芸用あるいは粗いパーライトを少なくとも４インチの深さに、ミスト使用、培地とミストを覆ってポリで密閉、53％遮光。10〜12週間で発根する。２つの最も重要な要素は、NAAとパーライトである。1986年には、発根率がそれ以前の年程よくなかった。評価したときに、生きている挿し穂を10,000ppmのNAA溶液で再処理した。６週間後、最初の結果の倍以上となり、５つの異なったクローンに対して平均50〜70％の発根率となった。１つのクローンを除いては、挿し穂はNorth Floridaの成熟した樹木から採取したが、その場所は、南東部の歴史においても最悪の旱魃を経験したところである。成功のための別の鍵は、密閉したポリテントで、これで熱を捕まえて培地の暖かさを保つのである。Magnolia grandifloraの挿し穂がこのシステムで発根している写真があるので、第２章挿し木繁殖を参照せよ。