The Reference Manual of Woody Plant Propagation
From Seed to Tissue Culture
Encyclopedia
木本性植物の繁殖マニュアル＿種子繁殖から組織培養まで
繁殖事典
Photinia ×fraseri
ベニカナメモチ
Fraser Photinia、Red-tip Photinia
種子：赤い、漿果状の梨果は10月に熟し、冬まで残る。普通は、この種には豊富に実がつくことはないが、時たま著しく実をつける植物体がある。年長の筆者は２月初旬に果実を採取し、マセレートして果肉と破片を取り除いていた。洗浄した種子は直ちに播種するか、低温層積処理を行った。無処理の種子が４週間で高い率で発芽し、低温層積が必要無いことを示した。種子が樹上で自己層積（self-stratify）した可能性もある。もし疑いがあるなら、１〜２カ月間の低温層積処理を与えてみよ。この手順はPhotinia glabraとP.serrulataに適用できる。
挿し木：多数の栽培者が試みて、この種は発根が困難であるとしているが、それに根拠はない。挿し穂は材が堅いどの時期でも発根可能である。鍵は高濃度のIBA（10,000ppmのIBA溶液）と排水のよい培地とミストである。発根には約４週間を要する。幾人かの南部の育苗家はガロン容器に挿し穂を直接挿し、露地の大陽の下で頭からミストをかけている。何人かの研究者が、この種をうまく発根させるのに必要な手順について徹底的に論じてきた。参照 Proc.Southern Nurs.Assoc.Res.Conf.28:224-226,227-228(1983)。
Photinia ×fraseriは発根の研究を行うには優れた植物である。ホルモン処理無しでは事実上発根しない。もし、ホルモンや植物生長調節物質の塩類が有効ならば、植物体は反応するだろう。また、アルコールやdimethylsulfoxideのような種々のキャリアによって傷害を受けることは、実際にはありえないことである。挿し穂は過湿によく耐え、実験期間中衰弱したり腐ったりしない。