The Reference Manual of Woody Plant Propagation
From Seed to Tissue Culture
Encyclopedia
木本性植物の繁殖マニュアル＿種子繁殖から組織培養まで
繁殖事典
Platanus ×acerifolia
モミジバスズカケノキ
London Planetree
種子：この種は、P.orientalis × P.occidentalisという交雑種で、好ましい樹皮、葉、果実、そして病害抵抗性を保つためには、無性的に繁殖しなければならない。しかしながら、普通の現場では、種子から繁殖されている。出来上がった樹木は、anthracnose抵抗性のような、元々の特性の幾つかを（隔離されることによって）失う。新鮮な種子は発芽はするが発芽率は低いと思われる。London planetreeは雌雄同株で、１〜１1/2インチ直径の丸い２つの心皮からの痩果をもつ。果実は大体11月に熟し、種子の採取は春に至るまで行うことができる。なぜなら、果実がずっとついているからである。果実は裂開するまで、換気した置場に薄く重ねて乾燥させるべきである。種子の取り出し中は、何か粉塵の除去を行う必要があり、作業員はﾏｽｸをつけるべきである。洗浄した種子の１ポンド当たりは、150,000〜190,000粒である。１年間以上の種子の貯蔵では、湿度を10〜15％に乾燥させ、20〜38ﾟFの密封した容器中に貯蔵すべきである。
挿し木：枝が成熟し始めた後に採取した緑枝挿しが発根可能である。若くて元気のよい、毎年休眠期に切り戻している樹木からの挿し穂で、最も高い成功率が望める。挿し穂を砂：ピート（1:1、v/v）あるいはピート：パーライト（1:1、v/v）に挿し、ミスト（３秒間／2.5分間）下に置く。挿し木の密度に合わせて、葉を約1/2に減少させることができる。8000ppmのIBA粉末で処理した挿し穂と、無処理の挿し穂が、最も高い率で発根した。8000ppm以上のIBA粉末で処理した挿し穂は、落葉とﾈｸﾛｼｽを起こした。約45日間で、挿し穂はよく発根した。
MyersとStill（The Plant Propagator 25(3):9-11(1979)）、６月の緑枝挿し（カンザス）、45年生の樹木と20年生の樹木、対照区、8000ppm、1.6、3.2％IBA溶液という試験では、対照区の発根が最もよく、20年性の樹木では100％、45年性の樹木では95％であった。２つの低濃度のIBAの効果はあったが、対照区程ではなかった。NAAは価値がないと分かった。
温暖な気候（イングランド）、P.×acerifolia は、秋に畑に挿した熟枝挿しから繁殖可能である。成功率約70％が報告されている。挿し穂は当年枝から採られ、６〜９インチ長である。４芽をつけた挿し穂が最もよく、細い頂部の枝は避けるべきである。切株からの枝（stool block）やずん切り木（pollarfded tree）が最高の挿し穂をもたらす。樹木の年齢が重要と考えられ、20年より年取った樹木の発根速度は遅くなるといわれる。挿し穂の上の切口は芽の直ぐ上に、下の切口は芽の直ぐ下になるようにすべきである。落葉後直ぐに挿し穂を挿し、１インチ以上は土の表面に出ないようにすべきである。早春に、凍結で傷んだ挿し穂を挿し直すべきである。新梢が馴れるまでは、遮光を行うべきである。
限定して暖房した場所を利用した熟枝挿しによる繁殖（イングランド）も可能である。その場所はピートモスと砂を等量にしたもので、約60ﾟFに挿し穂の基部を保つ。挿し穂は１月に採取し、長さは少なくとも１フィートにする。３月中旬にそれらを掘り上げ、畑に挿す。対照区（０ホルモン）とIBA(1250ppm)は等しくよく発根したが、畑での生存率は、IBA処理区の方が低かった。１月に採取された２節の熟枝挿しを、ロックウールブロックに挿したところ、６週間で発根したという報告がある。底面暖房は、60〜65ﾟFに保った。