The Reference Manual of Woody Plant Propagation
From Seed to Tissue Culture
Encyclopedia
木本性植物の繁殖マニュアル＿種子繁殖から組織培養まで
繁殖事典
Populus
ポプラ
Poplar
ポプラ類は、大きなグループで、生長が速いことが多い、落葉樹木である。北アメリカ、ヨーロッパ、北アフリカ、そしてアジアに、約30種が広く分布している。加えて、数多くの交雑種と名前のついた栽培品種がある。ほとんど全てのポプラの種の間での交雑が報告されている。春にまだ葉のない枝上の尾状花序（catkin）に花がつくられ、少数の逸脱ものを除いては、ほとんどの種が雌雄異株として分類されている。
種子：果実は３〜４弁の裂開性の鞘果で、熟す時期は種に依存し、一つの種の中でもかなりバラつくことがよくある。各個体間での広い変異が、P.deltoides、P.grandidentata、そして P.tremuloidesについて報告された。果実を採取するための安全な基準は、鞘果のほんの少しが開き始めた時である。
種子は目立った房で囲まれているが、これは白い綿毛でできていて、風によって種子が散布されるのを可能にしている。ワイヤーの篩に擦りつけてきれいにできる種子の量はほんの僅かである。ポプラ類の種子を自由にする最も効果的な方法は、20、40、そして60番の篩と空気の流れの組み合わせによるものである。洗浄した種子の１ポンド当たりの粒数は大きくバラつき、Seeds of Woody Plants in the United States によれば、P.deltoides var.deltoidesで 350,000〜 1,250,000、P.deltoides var.occidentalisで 250,000〜 479,000、P.grandidentataで 3,000,000以上、P.heterophyllaで 141,000〜 165,000、P.tremulaで 2,660,000、そして P.tremuloidesで 3,600,000である。自然状態での種子の寿命については、２週間から１カ月、そして適切な保存で２〜３カ年と報告されている。貯蔵を成功させるためには、採取後直ちに乾燥させる前貯蔵が必要である。５〜８％に湿度を保つことが、貯蔵された種子の活性率と発芽率を向上させる。４日間の風乾後、41ﾟFの密封した容器中に保存する。
新鮮な種子は数時間で発芽する。種子に覆土をする必要はなく、水で濡らした播種床も必要ない。必要とされる水分は、浅い潅水溝か細かい粒のスプリンクラーシステムによって供給可能である。実生苗は、乾燥、激しい雨、そして立ち枯れ性の病菌に影響されやすい（Amer.Nurseryman Nov.15.p.12(1967)）。
挿し木：gray poplarとaspensを例外として、ほとんどのポプラの緑枝挿しと熟枝挿しは、速やかに発根する。White poplar（P.alba）、black poplars、cottonwoods（P.deltoides、P.nigra）、そして他の交雑種は熟枝挿しによって繁殖される、またちょっと一般的ではないが、枝挿し（sets）にもよる。挿し木では普通、休眠中の１年枝を10から15インチの長さで用いる。枝挿しでは休眠中の枝を用い、4から10フィートの長さで１あるいは２年枝である。挿し穂は普通、切株台から獲られる。ヨーロッパでは、挿し穂は芽の直ぐ上で、角度をつけて切るべきであると、多数の繁殖家が感じている。挿し穂は冬ならいつでもでき、使用するまで（37〜38ﾟFで）貯蔵できる。早く挿すことの利点はない。イングランドでは、３月挿しが普通である。挿し穂は土と同じ高さか、土の上に２つかそれ以上の芽がでる位の高さで定植する。定植間隔はかなり様々である。６月に、よい芽を１つ残して剪定する。ポプラ類では、挿し穂の発根は容易である。というのは、あらかじめ形成された根原体から根が発達するので、90〜100％の発根率が一般的である。aspensのような発根が容易でない種は、あらかじめ根原体が形成されることがない。肥沃で排水のよい土壌が最高の植物を生産する。
gray poplar、P.×canescensは、P.albaとP.tremulaの間の自然交雑種の集まりで、クローンの幾つかは熟枝挿しからよく発根する。P.tremula、European aspenとP.tremuloides、quaking aspenは同程度に発根困難であるか、熟枝挿しでは不可能である。