アオギリ（Firmiana simplex）の落葉とともに、キリ（Paulownia tomentosa）の葉も落ち始めました。
写真1 2018/11/25
アオギリ（Firmiana simplex）の落葉とともに、キリ（Paulownia tomentosa）の葉も落ち始めました。
写真2 2018/11/25
蕾の周りにあった大きな葉は、もうありません。
写真3 2018/11/25
たくさんの蕾をつけた枝が、青空に映えます。
写真4 2018/11/25
2015年の春にタネを播いて育苗し、2016年の夏に露地に定植した樹は、今夏、２ｍ以上に生長しました。
キリという名前は、‘切り’に由来しているといわれています。‘大和本草’という書物に次の文があります。
「白桐 此木切れば早く長ず、故にきりと云ふ。桐の類多し、梧桐は青ぎりなり、白桐はつねの桐なり。世に白桐を多く用て器とす、良材なり」
株元から伐ると切株から力強く萌芽し、以前にも増して高く太く生育するといわれています。営利栽培では、‘台切’によって良い苗をつくることがあります。20年ほどで幹の直径30cmに育つこともあるそうです。
キリは古い時代から良材として利用され、また花の姿・形も好まれてきました。皇室の紋章にもなっています。清少納言の‘枕草子37段 木の花は’では、
「桐の木の花、紫に咲きたるはなほをかしきに、葉の広ごりざまぞ、うたてこちたけれど、こと木どもとひとしういふべきにもあらず。唐土（もろこし）にことごとしき名つきたる鳥の、撰（え）りてこれにのみゐるらむ、いみじう心ことなり。まいて琴につくりて、様々なる音の出で来るなどは、をかしなど、世の常にいふべくやはある、いみじうこそめでたけれ」
と、キリを賞賛しています。
ただし、‘唐土にことごとしき名つきたる鳥’とは、いわゆる‘鳳凰’のことで、中国ではこの鳥がとまるのはアオギリ（梧桐）となっています。日本でキリになった理由として、①翻訳の誤り、②キリの花が日本人（平安貴族）好みだったので故意に取り替えた、の２説があります。
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